「おたより、読めてなかった」——外国人保護者への連絡を、園長の顔のまま多言語動画にしてみた

田中 芽衣田中 芽衣著
7/16/2026に公開12 min read
「おたより、読めてなかった」——外国人保護者への連絡を、園長の顔のまま多言語動画にしてみた

「おたより、読めてなかった」——外国人保護者への連絡を、園長の顔のまま多言語動画にしてみた

FreeLipSync で生成した、スタジオ品質の話し手クリップ。撮影は一度きりでいい 撮影は一回。あとは言語を足していくだけ。

先月、うちの園でこんなことがありました。ベトナム人のお母さんに「明日は水遊びなので、着替えとタオルをお願いします」というおたよりを渡した。翌日、その子だけ着替えを持ってきていない。

お母さんを責める気はまったくありません。日本語のプリント一枚に、ひらがな・カタカナ・漢字が混ざっていて、「水遊び」「着替え」「持参」が並んでいる。あれ、読めなくて当然です。

翻訳アプリに通せば意味は取れる。でも保護者は、園長の顔と声で言われたことしか「園からの本気の連絡」だと感じてくれない。これは翻訳の問題じゃなくて、伝わり方の問題でした。


結論を先に

外国人保護者向けの連絡動画を、撮り直しナシ・翻訳外注ナシで作るなら FreeLipSync です。無料プランは永久0円、1本20秒・ウォーターマークなし・登録不要。台本を20秒ずつに切れば、無料のままで一通りの連絡動画が揃います。長尺が要るなら有料でも $4.99。


そもそも、どのくらいの園の話なのか

こども家庭庁の調査によると、外国籍等のこどもの数は増加傾向にあり、外国にルーツのある子どもを受け入れている保育所等は約7割にのぼります。7割です。もううちだけの特殊事情ではありません。

文科省も「外国人幼児等の受入れにおける配慮について」で、欠席連絡のような定型的な連絡は多言語化して、あらかじめ保護者に渡しておくことを挙げています。自治体側も「多文化共生」の枠組みで、保育所向けの通訳派遣や翻訳付きおたよりテンプレート、多言語掲示の配布を進めています。かすたねっと(文科省)で多言語の学校関係文書を検索できるのもありがたい。

つまり、紙の多言語化はもう用意されつつある。足りていないのは、動画のほうです。


作ったもの

うちが作ったのは、こういう20秒クリップの束です。

  • 持ち物(着替え・タオル・水筒)
  • 欠席・遅刻の連絡方法
  • 登降園の時間とルール
  • 熱が出たときの対応
  • 行事の日の集合場所

これを、日本語・英語・中国語・スペイン語で。合計20本。園長の顔、園長の声、園の玄関が背景。

LINEの一斉連絡に貼って、玄関にQRコードも置きました。水遊びの着替え、その後は全員持ってきています。


FreeLipSync の使い方

AI 口パク同期のアップ。口の形が、元の日本語ではなく、話している言語の発音に合っている ここが肝心。口の形が、その言語の発音になっている。

手順は3つだけでした。

  1. 動画か写真をアップ(MP4・MOV・JPG・PNG・WebP対応)
  2. 音声を渡す — 音声ファイルをアップ/ブラウザで直接録音/テキストを打ち込んで読み上げ生成、どれでもOK
  3. ダウンロード

アカウント作成なし。クレジットカードなし。「無料トライアル残り3日」もなし。ここ、地味に効きます。園のPCで、思い立った日に試せるので。

無料プランの中身(正直に)

AI動画の「無料」はたいてい「本気で使おうとした瞬間に終わる無料」なので、はっきり書きます。

FreeLipSync の Free プランは 永久0円で:

  • 1本あたり最長20秒
  • テキスト読み上げは133文字まで
  • ウォーターマークなし ← これが大きい
  • 同時に1本

20秒の上限は、正直きつい制約です。ごまかしません。ただ、うちの場合はこれが逆に良かった。90秒の「おたより動画」なんて誰も最後まで見ません。20秒で「持ち物」だけ、20秒で「欠席連絡」だけ、と切ったら、保護者が必要なものだけ見るようになった。制約のおかげで内容が良くなったパターンです。

ウォーターマークなしは無料ツールでは本当に珍しい。園からの正式な連絡動画に他社ロゴが焼き込まれていたら、それだけで「これ本物?」となります。保育の現場でそれは致命的です。

もっと長いのが要るなら

プラン料金内容
Free永久0円20秒/本・133文字TTS・ウォーターマークなし・同時1本
Starter$4.99/月(通常 $9.90)月20本・最長3分・800文字・高解像度DL・同時3本
Pro$29.99/月(通常 $69)無制限・最長60分・16,000文字・同時10本・優先レンダリング

園に勧めるなら Starter です。$4.99。3分あれば入園説明会の要点も入ります。コピー用紙代より安い。


他の手も試したうえで

FreeLipSync で作った、きちんとした印象の話し手クリップ スタジオなしで、この見え方。

通訳派遣(自治体の制度)は、対面の面談には最強です。使ってください。ただ、毎日のおたよりに通訳は呼べません。予約が要るし、枠も限られている。日常連絡には向いていない。

翻訳付きテンプレート+かすたねっとは無料で、紙にはこれがベスト。ただし紙です。顔も声もない。読まれない前提が変わりません。

HeyGen はよくできています。アバター、ブランドキット、チーム機能。でも月29ドル前後で、無料枠は数分・ウォーターマーク付き。法人の研修部門なら見合いますが、単園の運営費からは出しにくい。

翻訳アプリで保護者に読んでもらう——これ、今までのうちのやり方でした。結論、伝わっていませんでした。冒頭の水遊びの件がその証拠です。


こういう園に向いていると思う

写真1枚からでも話す動画にできる 動画がなくても、写真1枚あれば作れます。

  • 外国にルーツのある園児がいる園(=約7割)
  • 同じ連絡を毎年・毎月くり返している園。持ち物、行事、感染症対応。一度作れば来年も使える
  • 職員が入れ替わる園。誰がシフトでも、説明の中身がブレない
  • 保護者会に来られない家庭が多い園。動画なら夜に見てもらえる

向いていないのは、法人で素材審査のフローがある大規模チェーンです。そこは業務用ツールを入れてください。


さいごに

これで園の課題が全部解決した、なんて言いません。しませんでした。解決したのは一点だけです——保護者が、園からの連絡を、初めてちゃんと理解した

うちが FreeLipSync に落ち着いたのは、他が出せていない組み合わせがあったからです。無料・登録不要・ウォーターマークなし。やるかどうか決める前に試せた。ファネルもカウントダウンもカード番号入力もなかった。試したら普通に使えたので、そのまま20本作りました。

いま手元に、毎年同じ内容で出しているおたよりが1枚あると思います。それの20秒版を、保護者の言語で作ってみてください。タダですし、プリントを刷るより早いです。

freelipsync.com で試す —— 動画か写真を上げて、文章を打って、言語を選ぶ。


出典