創業者の一枚の写真に、外国のお客様へ「うちの歴史」を語ってもらう——老舗百貨店でやってみたこと

田中 芽衣田中 芽衣著
9/19/2026に公開10 min read
創業者の一枚の写真に、外国のお客様へ「うちの歴史」を語ってもらう——老舗百貨店でやってみたこと

FreeLipSync — 無料AIリップシンク生成ツールのトップページ FreeLipSync のトップページ。古い創業者の写真に「語ってもらう」作業はここから始めました。

地方の老舗百貨店で、館内の案内と広報をやっています。創業は戦前。玄関の脇に、初代のセピア色の肖像写真と、開店当時の売り場を写した一枚が飾ってあります。日本人のお客様はちらっと見て通り過ぎるだけ。でも近ごろ増えた海外からのお客様は、意外とこの前で足を止めるんです。「この人は誰?」という顔で。

2026年のインバウンドは、正直すごいことになっています。2025年は訪日客が初めて年間4000万人を超えて4268万人。2026年も1〜4月だけで1437万人。しかも面白いのは、買い物中心の「モノ消費」から、温泉や街歩きといった「コト消費」——体験へ関心が移っていること。だったらうちの強みは、モノより先に「この建物とこの家の物語」だな、と気づいたわけです。


今日の結論

飾ってあるだけの古い肖像写真を、外国のお客様に向けて「歴史を語る短い動画」に変えたいなら——撮り直しは要りません。FreeLipSync の Make Old Photos Talk(古い写真を話させる)ツール に一枚アップして、ナレーションを付けるだけ。無料で始められて、お試しに登録も不要、最初の一本は1分ほどでできます。ここで試す →


「語る肖像」が案内板より効く理由

まず館内の英語・中国語のお客様で試しました。同じ内容を二通りで。ひとつはいつもの説明パネル、もうひとつは初代の肖像写真が「ようこそ。この店は◯◯年に、この街の呉服店として始まりました」と語り出す20秒の動画。

反応がまるで違いました。パネルは読み飛ばされる。でも写真が動いて話し出すと、みんなスマホを構える。歴史そのものは同じなのに、「人が語りかけてくる」だけで、通り過ぎる展示が足を止める体験に変わったんです。

実際の作り方

顔/写真をアップ、原稿を入力、生成——3ステップ 創業者の写真をアップして、社史から起こした原稿を入れて、生成。言語を変えて繰り返すだけ。

手順は拍子抜けするほど簡単です。飾ってある肖像写真を取り込み、社史や郷土資料で裏を取った短い原稿を書き、言語を選んで生成。写真の口元が原稿に合わせて動きます。あとは英語版、中国語版、と言語を変えて同じことを繰り返すだけ。

無料枠が現場にちょうど良かった。20秒までの動画が登録不要で即生成、無料のサインインでウォーターマークなしの低解像度ダウンロードが使えます。20秒は「ようこそ、この店はこう始まりました、続きは館内で」にぴったり。ドキュメンタリーを作るわけじゃないので。

FreeLipSync は500以上の言語とアクセントに対応 一枚の写真、一本の原稿から、いろいろな言語版へ。

対応は500言語以上。先週は英語と中国語に加えてタイ語も必要になったので、この数字は宣伝文句じゃなく本当に助かりました。生成は1本あたり30秒ほど。数言語そろえても休憩時間で終わります。

正直な注意点(ここは必ず読んでください)

歴史ものだからこそ、線引きが要ります。語らせるのは記録として裏の取れた事実だけ。ありもしないセリフを創作させない——これは絶対です。原稿は社史・郷土資料・学芸員に確認してもらいます。ご存命の方や近年の写真は、必ずご本人・ご遺族の同意を取ってから。そして動画には「AI生成」と明記します。

もうひとつ。料金・営業時間・催事の内容・館内のご案内といった「変わる情報」は、写真の口から言わせません。それは公式サイトと館内表示、そして人がご案内する。動画は「詳しくはこちらへ」までにとどめます。

他の方法と比べて

FreeLipSync の料金:無料で開始、HD・商用は有料プラン FreeLipSync の料金。無料で始めて、HD・長尺・商用は有料プランで。

一通り見ました。HeyGen のアバターは確かに綺麗ですが月額制(30ドル前後)で、企業のトーク動画向け。うちが古い一枚の写真を動かしたいだけには重い。D-ID も優秀ですが無料出力にはウォーターマーク。Wav2Lip は無料でオープンソースなものの開発者向けで、広報担当がColabと格闘する時間はありません。

「古い写真・短尺・多言語・ほぼ無料」といううちの用途では、登録もカードも要らずに始められて、無料の尺が用途に合うFreeLipSyncが結局いちばん続きました。

どれを誰が使うべきか

博物館、資料館、老舗、地域の観光施設で、飾ってある歴史写真を活かしたいなら、この「古写真を話させる」手法がいちばん早い。映画のような3D復元がしたいなら、それは別の高価な世界。コードが好きな人はWav2Lipへ。それ以外の人は、写真を上げて、裏の取れた原稿を書いて、生成、で十分です。

おわりに

意外だったのは、お客様の滞在が「少し長くなった」こと。初代が母国語で「ようこそ」と語りかける——たった一言が、案内パネルにはできないことをしてくれました。原稿一本と一枚の写真で、玄関脇の展示が体験に変わった。飾ったまま眠っている歴史があるなら、Make Old Photos Talk ツール から始めてみてください。無料で試せて、最初の一本は1分ほどです。古い写真に語らせる →


Sources