訪日客が殺到するメガネ店へ。1本の説明動画を、AIリップシンクで多言語化してみた
FreeLipSync はブラウザでそのまま使える。顔の動画をアップし、音声かテキスト台本を入れると、約30秒で「話す動画」ができる
うちは都心で眼鏡店をやっている。ここ1〜2年ではっきり変わったのは、店に入ってくるお客さんの半分近くが外国人観光客になったことだ。実際、原宿あたりの眼鏡専門店では来店客の半数以上が訪日客だという話も出ている。理由もはっきりしていて、「日本の眼鏡は香港の半額くらい」「視力検査もレンズも無料で込みなのが驚き」「その日のうちに受け取れる」——このあたりが海外で評判になっている。
ただ、接客の説明が追いつかない。度付きサングラスのUVカットの話も、レンズのオプションも、日本語ではスラスラ言えるのに、英語・中国語・韓国語で毎回同じ説明を繰り返すのはしんどい。そこで今年、やり方を変えた。説明は一度録るだけ。あとは言語だけ差し替える。
結論から
視力検査から受け取りまでの流れや、レンズオプションの説明を、複数言語で用意したい眼鏡店なら——日本語で一度だけ撮って、FreeLipSync で英語・中国語・韓国語の音声に差し替えるのが一番早い。口の動きが新しい言語にちゃんと合う。無料、登録不要、短い動画なら透かしも入らない。個人店や小さなチェーンには、これ以上ないくらい手軽な一手だった。
なぜ今、これが効くのか
2026年11月からは訪日客向けの免税制度が「リファンド(出国時払い戻し)」方式に変わり、消耗品の上限も撤廃される。つまり免税まわりの案内も、これまで以上に丁寧に伝える必要が出てくる。そこに、そもそも訪日客が日本の眼鏡に殺到しているという追い風が重なっている。
紙のPOPやGoogle翻訳の貼り紙でも情報は伝わる。でも、レンズの違いや保証、受け取り時間みたいな「安心して買うための情報」は、店員の顔が母語で話してくれるだけで伝わり方がまるで違う。字幕が下に流れる英語の口元より、自分の言語で話しかけられるほうが、旅行者は財布を開きやすい。
実際の手順
まずスマホで20秒ほど撮る。スタッフが店内で、「検査は無料」「その日に受け取れます」「度付きサングラスもできます」という要点だけを日本語で話す。撮影はこれで終わり。
次にその台本を必要な言語に訳す。英語・中国語・韓国語くらいなら、やさしい日本語ベースの短い文章にしておけば、翻訳の精度も上がる。
最後にFreeLipSyncに動画を入れて、訳した音声(またはテキスト)を渡すと、口の動きをその言語に合わせて作り直してくれる。言語ごとに書き出して、店頭のサイネージ、Instagram、インバウンド向けのGoogleビジネスプロフィールに載せる。
台本を打ち込めば、写真1枚からでも話す動画が作れる。言語ごとに音声を差し替えるだけ
無料枠の中身、正直に
ネットの「無料」は、肝心なところで課金になることが多い。だから具体的に書く。FreeLipSyncはブラウザを開けばアカウント登録なしで始められる。短い動画——公式の無料枠はおおむね1回20秒までで、これは説明動画1本にちょうどいい長さ——は透かしなしで書き出せる。ここが決め手だった。多くの無料ツールは顔の上にロゴを載せてくる。店のサイネージに流すのに透かし入りは、それだけで安っぽく見える。
テキストから動画も作れるので、撮り直したくない日は、その言語のフレーズを打ち込んでスタッフの写真1枚から話す版を生成している。4言語まとめて用意しても、昔スタジオを1時間押さえていた頃より早い。
完璧かというと、早口の文章はたまに口元を合わせるために再生成する。でも、ゆっくり丁寧な案内なら、外国人客が「この店員、英語話せるんだ」と勘違いするくらいには自然だ。
こんな店に向いている
訪日客の多い眼鏡店・サングラス専門店はもちろん、コンタクトレンズ店、時計・宝飾、家電、ドラッグストアのように「説明して安心して買ってもらう」タイプの小売にも同じ手が使える。逆に客の100%が地元の日本語話者なら、無理にやる必要はない。ただ、レジ前で毎回スマホ翻訳を出しているなら、その説明はもう動画にしておいたほうがいい。
おわりに
訪日客に選ばれる店は、必ずしも一番安い店ではない。異国で不安な旅行者に「ここは自分の言葉で説明してくれる」と感じさせた店だ。以前ならそれには通訳スタッフや制作予算が要った。いまは、スタッフのスマホ動画1本と数分あればいい。
案内を一度だけ録って、あとはFreeLipSyncにお客さんの言語で話してもらおう。無料・登録不要、freelipsync.com から。
