商店街のゆるキャラに多言語でしゃべってもらう——顔出しなしで観光PRを回した話

田中 芽衣田中 芽衣著
8/19/2026に公開9 min read
商店街のゆるキャラに多言語でしゃべってもらう——顔出しなしで観光PRを回した話

FreeLipSync のトップページ FreeLipSync のトップページ。イラストを1枚アップして、セリフを入れると、約30秒で「しゃべる」クリップになる。

地方の商店街で、広報のお手伝いをしている。うちには昔からのご当地ゆるキャラがいて、イベントでは着ぐるみが出るんだけど、SNSの動画になると急に動かせなくなる。中の人のスケジュール、暑さ、そもそも「口が動かない」——着ぐるみは写真映えはするのに、しゃべってくれない。

ゆるキャラ自体はいまも十分に効く。ゆるキャラのポータル「ゆるナビ」には2026年8月時点で過去最多の435体がエントリーしていて、メタバース空間での投票まである。ブームのピークは過ぎたと言われつつ、制作費・広告費が安く、口コミで広がりやすく、子どもからお年寄りまで届く——地域PRの手段としては、いまでも現役だ。問題は、その顔を「動画で・多言語で」使う手段が、うちにはなかったこと。


結論を先に

商店街や自治体のご当地キャラを、顔出しなし・多言語でしゃべらせて観光や物産のPR動画にしたいなら、私がいちばん手軽だと感じた無料の方法は FreeLipSync の カートゥーン・リップシンク です。キャラのイラストを1枚アップして、セリフを入れると、口の動きに合わせてしゃべるクリップができる。登録不要、短い動画なら透かしも入りません。まずは自分のキャラで1本作ってみる →

いちばん助かったのは、着ぐるみの中の人も、撮影も、いらないこと。手元にあるイラスト1枚で回る。


「イベントの写真を貼るだけ」だと、なぜ伸びないのか

着ぐるみの写真は可愛い。でも、SNSでスクロールを止めるのは「動いて・しゃべる」瞬間だ。静止画のキャラは、良くて「いいね」止まり。外国人観光客に商店街の見どころを伝えたいのに、日本語のポスター写真を1枚貼っても、届かない。

かといって、着ぐるみを毎回引っぱり出して屋外で撮るのは現実的じゃない。夏は暑いし、口は動かないし、アフレコを重ねる手間もある。

イラストが直接しゃべってくれるなら、この全部が消える。祭りの告知、名物の紹介、「ようこそ」のひとこと——うちのキャラが、選んだ声で、20秒のクリップで話す。それをお昼休みに作れる。

無料枠は実際どこまで使えるか

「無料はどうせ入り口だけ」と疑っていたけれど、思ったより使える。FreeLipSync の無料プランは、カード登録なしで、1本あたり最長 20秒、テキスト読み上げ 133文字透かしなし同時生成は1本

観光PRの短尺には、20秒でちょうどいい。ReelsやShortsは、そもそもそれ以上は見てもらえない。「祭りの告知」「名物の紹介」「ようこそ」を1本ずつ短く分けたほうが、むしろ回る。

FreeLipSync の3ステップ 流れは3つだけ。イラストを置く、声かテキストを入れる、生成する。1本1分かからなかった。

数が増えて、長いセリフや複数同時生成が欲しくなったら、有料も高くない。Starter は月 9.90 ドル(1本最長3分・800文字・同時3本・高解像度ダウンロード)、Pro は月 69.90 ドル(本数無制限・最長60分)。サブスクが苦手なら、買い切りの Creator Pack が 4.99 ドルで Pro 動画5本・商用可・クレジットは無期限。私は最初のシーズンを無料で回して、仕上げの数本だけ Creator Pack で高解像度にした。

FreeLipSync の料金プラン FreeLipSync の料金表。短尺なら無料で十分、必要になってから上げればいい。

同じキャラが、いろんな言語で話す

ここが本命。FreeLipSync は500以上の言語・アクセントに対応しているので、同じキャラのイラストで、英語・中国語・韓国語版をそれぞれ作れる。祭りの案内も、名物の紹介も、外国人観光客が見るのは「同じうちのキャラ」で、それぞれの母語でしゃべる。

FreeLipSync の多言語対応 同じイラスト・同じ台本を、言語だけ替えて作り直す。日本語ポスターを見てもらえなかった層に、初めて届いた。

守っているルールが1つ。機械翻訳はそのまま出さない。 その言語がわかる人に必ず一度チェックしてもらう。そして——料金・営業時間・イベントの開催可否・交通アクセス・注意事項みたいに「正確さが要る情報」は、キャラにペラペラ断言させない。動画は「呼び込みと雰囲気づくり」に徹して、正確な情報は公式サイトや掲示に案内する。使うイラストも、自分たちが権利を持っているキャラだけ。他人の絵は使わない。AI利用であることも隠さない。

こういう人に向いている

インバウンド客がほとんど来ない、来ても日本語で足りる——なら、無理に使わなくていい。ふつうに撮ればいい。

でも、外国人観光客が増えていて、キャラはいるのに動画で活かせていない商店街・自治体・道の駅なら、母語でしゃべるご当地キャラは効く。「日本語ポスターがスルーされる」問題を1本目で解決してくれる。無料で始められて、しかも多言語というのが、正直ずるい。

おわりに

「キャラでちゃんとした動画」は、予算のある大企業の話だと思っていた。実際は、ふだん現地で口頭で言っている案内を、台本に起こすだけだった。いまはうちのキャラが英語・中国語・韓国語で祭りと名物を紹介してくれて、着ぐるみは一度も出していない。

試すなら、まず無料枠で「ようこそ」の20秒を1本。FreeLipSync のカートゥーン・リップシンクでキャラをしゃべらせる →


参考ソース