フェリーの乗船案内、外国人客に伝わってますか?1本の動画を撮り直さず多言語化した話

田中 芽衣田中 芽衣著
8/18/2026に公開9 min read
フェリーの乗船案内、外国人客に伝わってますか?1本の動画を撮り直さず多言語化した話

FreeLipSync のトップページ FreeLipSync のトップ。動画をアップして音声を差し替えるだけで、話者の顔はそのままに別言語版がつくれます。

うちは離島航路の小さな旅客船会社で働いています。この夏、インバウンドのお客さんが本当に増えました。ありがたい話なんですが、困ったのが乗船時の案内です。救命胴衣の位置、車両甲板への立ち入り禁止、揺れたときの手すり——日本語のアナウンスだけでは、半分くらいの外国人客に届いていない実感がありました。

国土交通省も「道の駅」や海事分野でインバウンド対応を進めていて、多言語の音声案内や避難誘導動画が推奨されています。方向性は分かる。でも、案内動画を言語ごとに撮り直すなんて、うちの人員では無理でした。


まず結論

すでにある案内動画を、話者を撮り直さずに多言語化したいなら、FreeLipSync の AI 動画吹き替え(AI Video Dubbing)ツール が一番早いです。もとの動画をアップすると、音声を翻訳し、口の動きまで新しい言語に合わせてくれます。登録不要、短い動画は透かしなし。まずは手持ちの案内動画で試す →

私が一番助かったのは、「同じ船員さんの顔のまま」英語・中国語・韓国語版がつくれること。別人が読み上げるより、断然安心感があります。


なぜ撮り直しをやめたのか

案内動画って、内容はほぼ変わらないんですよ。変わるのは言語だけ。なのに、言語ごとにスタジオを押さえて、船員に何度も同じことを言ってもらって……というのは、時間もお金も人も足りない。しかも本業は船を安全に動かすことで、撮影じゃない。

吹き替えツールに乗り換えてから、元になる日本語版を1本ちゃんと作れば、あとは言語を足していくだけになりました。口の動きが合っているので、字幕だけのときみたいな「音と口がズレて気持ち悪い」感じもありません。

FreeLipSync の無料枠は実際どこまで使えるか

「無料」と聞くと身構えますよね。実際に使える範囲はこうでした。カード登録なしで、1本あたり最長 20 秒、テキスト読み上げは 133 文字透かしなし同時に1本まで。乗船時の短い注意喚起クリップなら、20 秒でちょうど収まります。

FreeLipSync の3ステップ 流れは3つだけ。素材を入れて、言語・音声を選んで、生成。1本1分かかりませんでした。

生成は体感 30 秒以内。まとまった尺の避難誘導動画をつくるときは有料枠も見ました。Starter は月 9.90 ドル(Pro 動画 20 本、1本最長3分、HD ダウンロード)、毎日量産するなら Pro が月 69.90 ドル。サブスクなしで数本だけほしいときは、4.99 ドルの買い切り Creator Pack が便利です。最新の条件は料金ページを確認してください。細かい数字は暗記していないので。

多言語が本当の肝

FreeLipSync は 500 以上の言語・アクセントに対応しています。同じ乗船案内を、英語・簡体字中国語・韓国語で出しました。乗客が自分の母語で「揺れたら手すりを持ってください」と言われるだけで、デッキでの事故のヒヤリが目に見えて減りました。

FreeLipSync の多言語パネル 1本の案内を、お客さんの言語に。船員の顔はそのまま、言葉だけ切り替わります。

ここは守っている(大事なところ)

安全に関わる話なので、線引きははっきりさせています。正確さが要る情報——運賃、時刻、欠航基準、緊急時の具体的な避難経路、危険物の扱い——は、公式サイトと船内の掲示・係員の指示を正としています。動画はあくまで「概要の周知」まで。翻訳は必ず人が最終チェックします(自動翻訳の言い回しは、安全指示だと致命的になり得るので)。船員の顔を使うのも本人の同意を取ってから。AI は言葉を運ぶ道具で、安全そのものを保証する装置ではありません。

他のツールはどうか

いくつか比べました。HeyGenD-ID は吹き替え・アバターの完成度が高い一方、企業のプレゼン用途寄りで、無料だと透かしやクレジット上限にすぐ当たります。Vozo も翻訳リップシンクが得意です。ただ「既存の案内動画・ゼロ予算・短尺・透かしなし」という条件では、FreeLipSync の吹き替えが一番素直に回りました。長尺のプロモを本格制作するなら各社の有料枠を比べる価値はあります。

どれを使うべきか

短い乗船注意クリップを多言語で回すなら、まず無料の吹き替えで十分。数分の避難誘導動画をきちんと作るなら Starter の3分枠。単発のキャンペーンで数本だけなら Creator Pack。用途で選ぶのが結局いちばん安上がりです。

おわりに

案内の中身は変わらない。変わるのはお客さんの言語だけ。それを撮り直さずに埋められるようになって、うちの受付と甲板の負担はだいぶ軽くなりました。インバウンドは増える一方です。「伝わっていない案内」を放置しないための、いちばん手軽な一歩だと思います。FreeLipSync の AI 動画吹き替えで、乗船案内を多言語化する →


参考ソース